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鍼灸(はりきゅう)ノート 医療 No.2

統合医療について

統合医療とは

 近年医療業界で話題となっている事柄に「統合医療」というものがあります。統合医療は簡単に説明すると、西洋医学による医療とその他の代替医療を合わせ患者を治療することです。統合医療は、病気の超早期発見や予防、根治、健康維持の増進などを目指しており、それによって医療費の削減効果が期待されています。

医療界での鍼灸の扱い

 現在は医療制度の問題で統合医療は実現出来ていませんが、着実にその方向へ進んでいます。では、統合医療の中で鍼灸はどうなるのでしょうか?現時点で鍼灸は代替医療に含まれています。が、元々日本は鍼灸や漢方など東洋医学が医療の中心で、現在も伝統医療として私たちが受け継いでいます。科学的な治効理論も確立しつつあり、社会的ニーズも高まっています。しかし代替医療という扱いでは、他の無資格施術者(整体師など)と同視されてしまう懸念があり、それは医療を受ける国民にも不利益となる可能性があります。

鍼灸師の取り組みと課題

 先日、鍼灸師仲間で集まり統合医療に向けての作戦会議を行いました。結論としては、まず適切な法整備を行う必要があるということ。今ある法律は曖昧な表現が多く、無資格者の方が逆に有利な場合があり、統合医療が進めばさらに混迷を極めます。それぞれの立場を明確に区別し、営業を取り締まる必要があると考えます。それと教育制度の見直し。鍼灸師の質の向上は医療を受ける国民の利益となります。優秀な鍼灸師が育たなければ、医療として認められないでしょうから。

鍼灸の未来のために

 統合医療に向けては、まだまだ課題は山積です。しかし、うまく実現できれば、間違いなく国民の健康に有益なものとなります。その中で我々鍼灸師が担うべき役割とは何か?今、方向性を間違えれば、産婆さんのように時代の狭間で存在意義を失う可能性もないとは言えません。国民の健康のために、未来の鍼灸師のために、慎重に意見を発していきたいと思います。

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