鍼灸(はりきゅう)ノート 歴史 No.1

日本の鍼(はり)

日本鍼灸は日本独自の伝統医療

 鍼灸治療が中国から伝わったものであることは皆さんもご存知ですよね?では、現在行われている日本の鍼と中国の鍼はまったく違うということはご存知ですか?
 鍼灸が最初に伝来したのは奈良時代だと言われています。その後鍼灸は国内で発展し、日本独自の伝統医療となりました。そして近代になり西洋医学が主流となると、鍼灸は漢方という分類とされ区別されました。従って、漢方とは中国医学のことではなく、日本の伝統医療のことを言います。ちなみに漢方薬という言葉は中国にはありません。

日本と中国の違い

 鍼治療は身体に与える刺激量が治療効果に大きく影響します。中国の鍼は、太く長い鍼を使用することが多く、強い刺激で治療をします。それに対し日本の鍼は細く短い鍼を使用し、微細な刺激で治療を行います。テレビなどで見る鍼のイメージは中国のものですよね。
 中国と日本では、気候も風土も食生活も違います。よって体質も全然違うわけですから、それに合わせて治療の仕方が変わるのは当然です。毎日中華料理を食べても平気な人と、1週間も油ものを食べたら胃腸をおかしくする人とでは、刺激の許容量が違うということですよね。

世界と日本の鍼灸

 現在、世界的に鍼灸が盛んになりつつあるのですが、残念ながらそれは中国の鍼であって日本の鍼ではありません。むしろ日本の細い鍼は偽の鍼として中国鍼と比較されたりします。しかし、日本の鍼が劣っている訳では決してありません。その比較研究でも効果は同じという結果が出ています。太く長い鍼で痛い思いをしなくても、微細な刺激で十分治療は出来るということです。
 近年、鍼灸治療は科学的な研究が進んでおり、治療効果のメカニズムが徐々に解明されてきています。鍼灸は魔法のような不思議なものではなく、日本の伝統的な医療です。これから今以上に多くの方に鍼灸を知って頂き、その素晴らしさを体感して頂きたいと切に願います。

日本の鍼(はり)と中国の鍼(はり)を比較した写真日本の鍼と中国鍼の比較

日本の鍼と中国の鍼との比較

 左二本が中国の鍼。右二本が当鍼灸(はりきゅう)院で使用している日本の鍼です。長さも太さもこれだけ違いがあります。
 ちなみに当鍼灸(はりきゅう)院で使用している鍼(はり)はすべて国内生産品で、滅菌消毒されパッケージされた鍼(はり)を、一人一人使い捨て(ディスポーサブル)廃棄しておりますので、感染症の心配など一切なく、安全安心の鍼(はり)治療をご提供しております。

▲ ページトップへ