疾患と鍼灸(はりきゅう) No.10

こむら返りと鍼灸(はりきゅう)

こむら返りとは

 「ふくらはぎ」のことを江戸時代中期まで「こむら」と言い、「こむら(ふくらはぎ)が反り返る(つる)」状態を総称して「こむら返り」と言いました。この呼び方が現代でも使用されいます。
 「こむら返り」はスポーツの後や寝ている間に起こり易く、疲労、脱水、電解質(Mg、Ca)異常、ビタミンB1不足などが原因と考えられます。他に、糖尿病や肝臓疾患、脊柱管狭窄症などの疾患で誘発されるようです。毎日頻回の「こむら返り」を発症する方は、念のため病院で検査を受けることをお勧めします。

こむら返りの予防法

 こむら返りを予防するには、まず汗をかいたら水分と塩分の補給をすること、野菜・果物・牛乳などをバランス良く摂取すること、そしてお風呂でふくらはぎを温めてマッサージすることなどが有効です。全身のバランスを調整し、疲労回復の効果がある鍼灸治療も大変有効だと思われます。
 日頃のケアが重要です。健康の保持増進に努めましょう。

効果のあるツボ

こむら返りの効果のある「承山(しょうざん)

承山(しょうざん)
場所:ふくらはぎとアキレス腱の境目。
効果:筋肉の痙攣を抑え、痛みを緩和。

こむら返りに効果のある「足三里(あしさんり)」というツボの図解足三里(あしさんり)

足三里(あしさんり)
場所:膝から指4本分下で、むこうずねの外側。
効果:胃腸の働きを良くし、全身の疲労を回復する。

対処法

こむら返りの対処法を描いたイラスト対処法

 足を伸ばして、つま先を持ち手前に引っ張ります。アキレス腱を伸ばす要領です。痙攣が治まるまで続けて下さい。
 治まったら、ふくらはぎをさするようにやさしくマッサージし、安静にして下さい。