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鍼灸(はりきゅう)ノート 医療 No.1

プライマリ・ケア

プライマリ・ケアとは

 私が当鍼灸(はりきゅう)院を開業する際に掲げた治療院理念は「プライマリ・ケアの一端を担い、皆様の笑顔を守るお手伝いをする。」です。プライマリ・ケアとは、簡単に言うと地域医療とか初期医療などと訳されます。昨年、福島県プライマリ・ケア研究会という会が発足し、地域医療を考えていく活動が開始されました(現在は解散しています)。この会が掲げるプライマリ・ケアとは「我々が何かに困窮して悩んでいる地域住民と遭遇した際に、 その人が何に困り今何を求めているのかを的確かつ迅速に判断し、その人のために我々が各々の立場やそれらの協力・連携によって、 また各々が最大限の努力を尽くすことにより、悩める人を困窮から救出し、心から喜んでいただくこと」としています。よってこの会には医師や歯科医師、看護師、薬剤師、医学生、そして私を含めた鍼灸師など医療従事者だけでなく、教員や会社員など一般の方々も多く入会されており、多業種の人間が協力し合い、地域全体を支えていこうという理念で活動しています。こうした業種にとらわれない会の設立は福島県が初めてとのことです。

意識改革

 近年、日本の医療は専門化が進み、専門外の疾患の場合には各科をたらい回しにされることも少なくありません。一番適切な医療に辿り着くまでに、多くの時間と労力を費やしてしまう場合もあり、プライマリ・ケアの考え方とは大きく外れてきてしまっています。まず医療従事者から考え方を改めていかないといけませんね。

多職種協働

 鍼灸治療は、人間が元々持っている自然治癒力を利用し、病気や怪我を本来の健康な状態へ戻していく手助けをするものです。そのため副作用もなく大変安全な治療です。しかし残念ながら万能ではないと私は考えています。患者さんの病態を正確に把握し、一番最適を思われる治療を提供する。それが必ずしも鍼灸でなくても、より良い医療の選択肢を患者さんに提供することが、鍼灸師の仕事でありプライマリ・ケアです。
 最初に書いたように、プライマリ・ケアは医療従事者だけでなく、地域に住むすべての人々が、助け合い支えあって成り立つものです。一人でも多くの方がプライマリ・ケアに興味を持って頂けたら嬉しく思います。一般の方も参加出来るセミナーもありますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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