疾患と鍼灸(はりきゅう) No.12

ぎっくり腰と鍼灸(はりきゅう)

ぎっくり腰とは

 前屈みの姿勢で重い物を持った時や身体を急に捻った時などに起こる急性の腰痛のことを一般的に「ぎっくり腰」と言います。正式疾患名は「急性腰痛症」。欧米では、その急激な強い痛みから「魔女の一撃」(Hexenschuss,独)と呼ばれ恐れられています。
 原因により起こる年齢は様々で、加齢や運動不足により起こる筋膜性の急性腰痛は高齢者に多く、腰椎椎間板ヘルニアによるものは若年者に多いという統計が出ています。
 腰周りの筋疲労を取りつつ、少しずつ筋力をつけることが一番の予防策になるようです。

鍼灸で魔女の一撃を回避しよう!

 基本的にぎっくり腰は安静にしていれば自然治癒力により3週間程度でほぼ完治すると言われていますが、社会生活を送る以上3週間も寝たきりでいられる方は少ないと思います。鍼灸治療は自然治癒力を活性化させるため治りが早く、鎮痛効果も期待出来るので、安静にしているだけより早く社会生活に復帰出来ることが多いです。
 ぎっくり腰は日常生活による腰の筋疲労から起こる場合が多いと思われます。普段から定期的に鍼灸治療を受けることで予防効果を高め、魔女の一撃を回避していきましょう。

効果のあるツボ

ぎっくり腰への鍼灸(はりきゅう)治療で使用する「腎兪(じんゆ)」といいうツボの図解腎兪(じんゆ)

腎兪(じんゆ)
場所:第2、第3腰椎間(腰の上の方)の指3本分外側。
効果:腰の筋肉を緩め、腰の痛みを軽減。

ぎっくり腰への鍼灸(はりきゅう)治療で使用する「志室(ししつ)」といいうツボの図解志室(ししつ)

志室(ししつ)
場所:腎兪からさらに指3本分外側。
効果:筋膜性の急性腰痛の際、痛みの緩和に最も有効。