疾患と鍼灸(はりきゅう) No.16
五十肩と鍼灸(はりきゅう)
五十肩とは
五十肩は40代~60代に多くみられる肩関節周囲の炎症疾患の総称で正式な病名ではありません。
原因はまだ解明されていませんが、肩周囲の筋肉や靭帯についた傷が炎症を起こし、それが組織の退行性変化(老化)のために肩関節全体に広がり慢性炎症を起こすためではないかと思われます。
急性期は肩に違和感やうずくような痛み(人によっては激痛)を感じ、痛みで眠れないという症状を訴え、慢性期になると痛みは軽減するが肩が動かせなくなります。痛みで肩を動かせない間に血行循環が悪くなり、関節を包んでいる部分(関節包)や筋肉などが癒着してしまうためです。急性期は安静が必要ですが、慢性期は積極的に動かす(痛み範囲内で)ようにすることが重要です。
治療開始時期が重要
五十肩は治療開始時期が非常に重要です。一般的に完治まで1年から2年程度と言われていますが、急性期に治療を開始することが出来れば1ヶ月以内に完治する場合もあります。鍼灸治療は鎮痛、消炎、血行循環改善などの効果があり、五十肩の治療に適しています。少しでも肩に違和感を感じたら、早期に治療を開始されることをお勧めします。
効果のあるツボ
肩髃(けんぐう)
肩髃(けんぐう)
場所:肩の外側で、骨が一番出っ張った所の下。
効果:肩関節の痛みを軽減し、動きやすくする。