疾患と鍼灸(はりきゅう) No.25

頸肩腕症候群と鍼灸(はりきゅう)

頸肩腕症候群とは

 頸肩腕症候群とは、頸部から肩・腕・背部などにかけての痛みや痺れなどを訴える全ての症例を言います。この中で、他の整形外科的疾患(たとえば変形性頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群など)を除外した、検査などで病因が確定できないものを狭義の頸肩腕症候群と呼んでいます。
 狭義の頸肩腕症候群は座業労働やストレスを原因とする場合が多く、かつてキーパンチャー病と呼ばれたものもこの一種であり、現在OA病あるいはパソコン症候群と呼ばれる一連の症状もこの範疇に入ります。若年層から起こり、男性よりも筋力の少ない女性の方が罹り易いとされています。

鍼灸が効果的

 頚肩腕症候群に対し鍼灸治療は大変効果的です。病院では原因不明とされた症状も、鍼灸治療によって改善することも多くあります。ただ、怪我以外の頚肩腕症候群の大半は日常生活からくる疲労の蓄積が原因となることが多いので、一度症状が改善しても、また疲労が溜まれば再発することもあります。それを予防するためにも、なるべく定期的に治療を受けることをお勧め致します。

効果のあるツボ

頸肩腕症候群の鍼灸治療で使用する「風池(ふうち)」というツボの図解風池(ふうち)

風池(ふうち)
場所:後頚部の窪んだ所から指3本分外側。
効果:頚の痛み、頭痛を軽減。

頸肩腕症候群の鍼灸治療で使用する「肩井(けんせい)」というツボの図解肩井(けんせい)

肩井(けんせい)
場所:頚椎と肩先の間。
効果:頚肩の痛み、痺れを軽減。

頸肩腕症候群の鍼灸治療で使用する「曲池(きょくち)」というツボの図解曲池(きょくち)

曲池(きょくち)
場所:肘の外側。
効果:肩から腕にかけての痛み、痺れを軽減。