疾患と鍼灸(はりきゅう) No.26

つづらごと鍼灸(はりきゅう)

つづらごとは

 「つづらご」とは東北・北関東の方言で「帯状疱疹」のことを言います。植物の「ヒヨドリジョウゴ」の別名で、実の付き方が帯状疱疹に似ているからとか、実を漬けたものが帯状疱疹に効くからとか由来は諸説あるようです。
 原因はウイルス感染。子供の頃によく罹る病気「水ぼうそう(水痘)」。これはウイルス性の病気で、一度発症して治ってしまうと一生感染しませんが、そのウイルスは死んでしまったのでなく、長い間身体の中の神経節に潜伏しています。このウイルスが、病気や過労、加齢などで抵抗力が低下した時などに再び活動を始めることがあります。これが「帯状疱疹」=「つづらご」です。 ただし、水ぼうそうに罹ったといっても必ず帯状疱疹になるわけではなく一般的には10人に1~2人の確率と言われています。
 ウイルスは神経に罹患し、その神経に沿って帯状に発疹し、神経痛を伴います。出るのは左右どちらか片方。頭や顔、胸、腹、殿部、手足など、症状が出るのは罹患した神経によって様々。場合によっては顔面神経麻痺を起こすこともあります。
 鍼灸治療は心身の疲労を回復し、自律神経を整え、免疫力を高める作用があります。そのため、つづらごの予防に最適です。

早期発見早期治療

 鍼灸治療がつづらご予防に効果があると言っても、絶対に罹らないという訳ではありません。疑わしい症状がある場合には、速やかに医師の診察を受けることをお勧めします。早期に投薬を始めないとウイルスに神経を破壊され、辛い後遺症が残ってしまう可能性もあります。一般的には72時間以内がベストと言われています。どんな病気も早期発見早期治療が一番です。頭の片隅に置いておいて下さいね。

予防効果のあるツボ

つづらご予防の鍼灸治療で使用する「合谷(ごうこく)」というツボの図解合谷(ごうこく)

合谷(ごうこく)
場所:親指と人差し指の付け根の間。
効果:自律神経の調整。

つづらご予防の鍼灸治療で使用する「足三里(あしさんり)」というツボの図解足三里(あしさんり)

足三里(あしさんり)
場所:膝下のすねの骨の出っ張りの外側。
効果:胃腸の調子を整え体力を回復する。