疾患と鍼灸(はりきゅう) No.27

梨状筋症候群と鍼灸(はりきゅう)

梨状筋症候群とは

足の痺れや痛みを訴える疾患というと、一般的に腰椎椎間板ヘルニアがよく知られていますが、その他にも脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症など様々あります。その中でも比較的発症しやすく、かつ病院で診断されにくい疾患に梨状筋症候群があります。
 梨状筋症候群とは、梨状筋によって症状が現れる疾患の総称です。梨状筋はお尻の深部にある筋肉で、その間を坐骨神経が通過しています。その梨状筋が何らかの原因で緊張し、坐骨神経を圧迫することで、足に痺れや痛みを生じさせます。それが梨状筋症候群です。
 一番の原因は梨状筋の疲労。特に座位で長時間いると悪化します。立ち上がったり、歩いたりすると症状が軽減したりします。他に打撲や激しい運動、精神的ストレスも原因になる場合があると言われています。

ストレッチによる解消、予防法

梨状筋症候群に効果のあるストレッチの図解梨状筋症候群に効果のあるストレッチ

あお向けになり悪い方の脚の膝を曲げて反対側の膝の横に足を移します。一方の手を曲げた脚の太ももに、もう一方の手を骨盤に置いて両手で下方に圧力を加えます。お尻の筋肉が伸ばされていることを感じて下さい。症状の強い方はこれで足に痺れが出るので、ほどほどにして下さい。

見落とされがちな疾患

 梨状筋症候群はレントゲンやMRIなどで確認出来ないため整形外科では見落とされがちな疾患です。放置すると慢性化してしまうので、早めの対処が必要となります。
 鍼灸治療では、殿部周囲の筋緊張を和らげ、症状を改善する効果が期待できます。上記のストレットと併用することで、更に効果が上がります。治療効果だけでなく、予防効果も高いので、日頃のストレッチと、定期的な鍼灸治療をお勧め致します。