先日、郡山市の福島医療専門学校にて行われた全日本鍼灸学会東北支部のA講座に参加してきました。

今回は聴講者としてではなく、講座の一部にシンポジウムがあり、そのシンポジストとしての参加でした。

あいにくの大雪で、聴講者誰も来ないんじゃないの?って思いながら会場に向かったのですが、意外にも大勢の方が来場されて、外とは裏腹に熱気溢れる学会になりました。

私が参加したシンポジウムは、養成学校を卒業して数年の若手鍼灸師が集まり、自分たちの臨床経験などを語り合ったり、これから先のビジョンなどを話し合うというものでした。

私は福島県立盲学校専攻科理療科の卒業生で、鍼灸師歴はもうすぐ9年になります。

若手か??(笑)と思われるでしょうが、この業界では10年未満など超若手です。

しかし今回集められた私以外の若手は、鍼灸師歴5年以下の先生方。

卒後2、3年の先生がほとんどだったので、正直私だけ浮いてました(笑)

今回の学会は、会場が専門学校ということで、そこの学生さんが多数参加していましたから、このシンポジウムも、他の講義も、そういった学生向けの内容が主でした。

学校を卒業してどういった仕事をするのか?将来はどうなるのか?など、学生が持つ疑問や不安に、学生に近い立場の若手鍼灸師が自分の経験を語ることで今後の参考にしてもらおうというのが主旨だったようです。

学生にとっては、10年近く臨床をやっている私などは、だいぶベテラン鍼灸師のように見えたでしょうが、一応若手らしく(笑)お話させて頂きました。

初々しさは欠片もなかったと思いますが(苦笑)

鍼灸師は年に一回国家試験が行われていますが、毎年3000人程度合格し、新しく鍼灸師が誕生しています。

私が国家試験を受けた頃は、4000人を超えていたので、10年ほどでだいぶ減ってきているようです。

養成校も減ってきています。

それでも3000人は多いと思いませんか?

正直、鍼灸師は供給過多の状態にあり、鍼灸師の免許を取得しても鍼灸師として生計を立てるのは非常に大変なことだと言われています。

そんな中でもありがたいことに当院には多くの患者さんがご来院下さり、私は免許取得1年目から現在まで、鍼灸師として生きていけています。

私としては、鍼灸を受けたいという需要は多いにあると実感しています。

日本の伝統医療である鍼灸は、この国に伝来して以後1000年以上脈々と受け継がれ、現在も国民のため医療として存在し続けています。

必要とされる医療だからこそ、これだけ長い年月を生き残ってこれたのです。

存在する必要がなければ、とっくに淘汰されています。

実際に毎日の臨床で感じますが、鍼灸治療のポテンシャルは非常に高いです。

施術者自身が驚くような効果もみられたりします。

西洋医学を基礎とした現代医療でも治せない疾患や軽減できない症状も多くありますが、それらを補完する能力が鍼灸には備わっていると思いますし、地域医療を支える医療資源して十分に機能します。

昔から鍼灸師はそういう役割を果たしてきましたし、これからも、いや、これまで以上にそういう分野で必要とされる医療だと私は思います。

よって鍼灸の将来は、今まで諸先輩方が築き上げてきた伝統医療を受け継ぎ、地域の中でその役割を果たしていけば、何の不安要素もないと私は確信しています。

それが結論です。

ただ、それはすべて今まで通りということではありません。

時代とともに医療形態は変わります。

鍼灸治療自体は同じでも、鍼灸院や鍼灸師の在り方は、時代に合わせて変化すべきです。

旧態依存せず、柔軟に対応していく感性を持ち合わせていないと、すぐに時代に取り残されます。

どれだけレベルの高い医療技術、知識を持ち合わせていても、それを行使できなければ宝の持ち腐れです。

きっとそういう対応力の低さから、鍼灸を生業として続けていけない先生も多いのかもしれません。

市場は何でもそうですが、需要と供給のバランスです。

需要がなければ、供給源は淘汰されます。

前述した通り、鍼灸に需要はあります。

ただ、鍼灸に需要があっても、「すべての鍼灸師」に需要があるわけではないということです。

多くの鍼灸師が免許を取得しても生計が立てられないのは、単純な話、鍼灸師として必要とされていないからです。

鍼灸に需要がないのではなく、「その鍼灸師」に需要がないだけ。

残酷な言い方ですが、それが現実だと思います。

すべての野球少年がプロ野球選手になれるわけではないですし、たとえプロになれたとしても、一軍でスター選手になれるのはごく一部の選手だけです。

チームに必要とされる選手だけがプロとして生きていける。

鍼灸師も同じことですよね。

ですから、国民に必要とされる鍼灸師になれるよう努力を惜しまないこと。

本来は免許の更新制などを設けて、鍼灸師の質を確保していく必要があると私は思うのですが、現時点でそのような制度はなく、自己の努力に委ねられていますので、努力の差で同じ免許を持っていても、能力がピンキリになってしまうのです。

そして仕事がうまくいかないと、業界が悪い、国が悪い、政治が悪い、時代が悪いと、自分の努力不足を棚に上げて、自分以外の何かのせいにしようとする人も多くいます。

免許と取ったらといって安泰ではありません。

国民のお役に立ち、必要とされることで、はじめて居場所を確保できます。

これから鍼灸師になる若い人たちには、国民のために鍼灸を学び、国民のために臨床能力を身につけて、国民に必要とされる鍼灸師となって頂きたいです。

そうすれば、さらに鍼灸業界は発展し、国民のための医療として、揺るぎない立場を確立することが出来ると思います。

それが私の思う未来の鍼灸のビジョンです。

といった話をシンポジウムでしたかったのですが、あまり時間がなかったので、上記の一部だけしか話せませんでした。

なので、ここでぶちまけました。

長々と失礼しました。

ということで、今年最初の学会も非常に充実した内容でした。

こういった講習会などへは、行ける範囲で積極的に参加し、様々なものを吸収していきたいと思います。

今年も頑張るぞ~。