小児はりとは
その名の通り、小児特有の疾患に対する鍼治療のことです。
関西圏を中心に発展してきた日本の伝統医療の一つで、歴史は古く江戸時代より始まり、現代に至るまで多くのお子さんの治療に用いられてきました。
夜泣きやキーキー声など、いわゆる「疳の虫」と呼ばれる症状に効果が認められています。
他にも夜尿症や、風邪の予防などにも効果が期待出来ます。
刺さない鍼を使用
大人と違い、お子さんはとても繊細で刺激に敏感です。
そのため、大人に使うような刺す鍼ではなく、刺さない鍼を用います。
当院で使用するのはローラータイプの接触鍼。
イボイボのついたローラーで、コロコロと皮膚の上を転がします。
痛みは全くありません。
気持ちがよく、寝てしまうお子さんも多くいらっしゃいます。
当院での小児はり対象年齢は、生後6ヶ月から12歳程度までとしています。
ですが、ローラー鍼は、お子さんだけでなく、大人の方にもある程度効果が認められるので、当院では12歳以上の方に使用することもあります。
持ち運びも簡単で、治療環境が整わない場所でも手軽に治療が行える優れた医療器具です。
施術方法
当院の小児はりは、お子さんの皮膚を育てる治療をします。
皮膚は脳と密接に繋がっており、皮膚を育てることで、脳の発育も促進されます。
よく親子のスキンシップがお子さんの心を豊かにすると言われるのはそのためです。
お子さんは発育の段階で心と身体のバランスが崩れ、ストレスを感じ、自律神経が乱れることで、様々な症状をきたすことがあります。
疳の虫症状が出るのは、そういった心身のバランスの乱れが原因の場合が多くあります。
小児はりは皮膚を刺激し、育て、自律神経を整えていくことで、心身のバランスを整え症状を抑えていきます。
刺激するのは、手、足、背中、おなか。
施術時間は5分程度です。
治療方針
小児はりは、すぐさま効果が表れるというような即効性はあまり期待出来ません。
症状が重いお子さんは特に治療期間が長くかかる場合があります。
そのため、施術は毎日続けて頂くことで、少しずつ効果が出てきます。
しかし、毎日治療院に通うというのは、保護者の方への負担が非常に大きく、症状が改善するまで通院出来ずに治療を断念してしまうケースも多くあります。
そこで当院では、保護者の方に施術の方法を指導し、ご自宅でお子さんのケアが出来るようにサポートする方針を取っています。
懇切丁寧に指導致しますので、実際に治療院を訪れて頂くのは1度だけとなります。
施術方法は非常に簡単で、すぐに覚えて頂けますし、その後もご相談があればサポート致しますのでご安心下さい。
治療の流れ
①まず、お子さんと一緒にご来院頂き、予診票にご記入頂きます。
②お子さんの症状などをお聞きし、触診などでお子さんの状態を確認します。
③お子さんの状態や治療について説明します。
④そしてローラー鍼をまず保護者の方に受けて頂き、痛みのないことなどを確認して頂いてから、実際にお子さんの身体へ施術していきます。
⑤途中から保護者の方にもお子さんへの施術をして頂き、動かし方や力加減などを指導致します。
⑥ご自宅で行う際の注意点をよく説明し、質問がある場合はお答えします。
⑦お会計をして頂き終了です。
尚、施術のために必要な器具(ローラー鍼)は、当院からプレゼント致します。
※小児はりは医療行為です。ご自宅以外で他者に行うのは違法ですので、セルフケア以外は行わないで下さい。
小児はりのすゝめ
小児はりは、特に疳の虫のような症状がなくても、お子さんの心と身体を育てていくのに有効な手段だと思います。
保護者の方が施術をすることでお子さんとのスキンシップも同時に取ることが出来ますし一石二鳥です。
慣れてくれば、お子さんと遊びながら楽しくケア出来るほどお手軽で簡単。
鍼というとすごく怖いイメージがあると思いますが、それはまったくの誤解です。
子育ての強い味方「小児はり」を、ぜひお試し下さい。