
鍼灸コンセプト
現在当院では「視覚障がい者の命を守る署名運動」を行っております。
江戸時代、五代将軍徳川綱吉の主治医であった盲人の杉山和一は、目の見えない子供たちに鍼灸や按摩を教える学校を開きました。
それが日本の盲学校の始まりであり、世界初の盲人に対する高等教育でもあります。
それ以降、現在に至るまで、日本では鍼灸マッサージが視覚障がい者の生きる道として脈々と受け継がれ、今では「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格となり、日本の地域医療の一端を担っています。
しかし、免許を取得出来るとはいえ視覚に障害がある以上、社会的弱者であることに変わりはありません。
支援の手は必要ですし、就業にもハンデキャップがあるのは当然のことです。
そのため、あん摩マッサージ指圧師は視覚障がい者の職域として確保するため、晴眼者が入学できるマッサージ学科の新設や定員の増加を法律によって規制しています。
そんな状況にも関わらず、郡山市にある福島医療専門学校をはじめとする学校法人平成医療学園傘下の4校は国にマッサージ学科の新設を申し出ました。
当然、法律に基づき国はその要望を却下しました。
しかし専門学校側をそれを不服とし、職業選択の自由を阻害する憲法違反との理屈で国を相手に訴訟を起こしました。
国は全面的に争う姿勢を見せていますが、情勢は五分五分とのことです。
前述した通り、マッサージ業は視覚障がい者の生きる道、命を繋ぐ大切な仕事です。
マッサージ師としての技量においては晴眼者に引けは取らないと思いますが、それ以外の状況、例えば車の運転が出来なかったり、事務作業が困難だったり、書類が読めないなどコミュニケーションが取りづらかったり、色々なハンデがあるため事業者としては晴眼者の方を雇いたいと考えるのは必然です。
そもそも、晴眼者があん摩マッサージ指圧師の免許を取得出来る学校は現在すでにいくつも存在しており、その職に就きたいというのであればその学校へ入学することで目的を果たせます。
東北で言えば仙台に1校あり、そちら出身の先生の多くが福島県内でも活躍されています。
職業選択の自由が侵害されているという訴えはまったく筋違い。
これ以上増やさないということが重要なのです。
もし今回の裁判で国が敗訴するようなことがあれば、全国各地にマッサージ学科が新設、乱立し、無駄にマッサージ師が増えることになり、視覚障がい者の職域は浸食されるだけでなく、マッサージ師の質が著しく低下することは容易に想像できます。
視覚障がい者を犠牲にしてまで行うほど、国民にとって有意義であるとはとても思えません。
例えば、国民の多くがマッサージ師になりたいのに視覚障がい者ばかり免許を取得出来るのはおかしい!不公平だ!!と規制緩和を求めて訴訟を起こしたのであれば、百歩譲って理解も出来ます。
納得はしませんが。
しかし、この訴訟を起こしているのは専門学校。
学生(客)を確保するために学科を新設したいという、学校の利益のために視覚障がい者の職域を侵そうとしているのです。
私はその非道さが何よりも許せません。
こうした想いを多くの方が持っています。
きっとこの現状を説明すれば、多くの国民が私と同じ思いを抱くはずです。
視覚障がい者の命を奪ってまでマッサージ師が増えてほしいと思っている国民など、ほとんどいないと思います。
そんな折、この専門学校の訴えを裁判所に棄却して頂くために署名運動をするということで、署名協力の用紙が盲学校の同窓会より私の元へ届きました。(写真)
ですので、当院では患者さんにも呼びかけ、この署名運動に協力することに致しました。
呼びかけは今日から開始したのですが、すでに多く方から署名を頂いております。
上記の旨を説明すると、すべての方が賛同しご署名下さいました。
私以外全員晴眼者です。
家族全員に書いてもらうと言って、用紙を持ち帰って下さった方もいます。
当たり前のことですが、多くの国民が障がい者のような社会的弱者には救済の手を差し伸べるべきだという思いを持って下さっています。
自分たちさえ良ければ他人などどうなっても良いという一部の非道な人間の考えは、断固否定すべきと考えて下さっています。
そういった声を、当院でも署名という形で集めていきたいと思っています。
署名運動は、2週間程度続ける予定です。
視覚障がい者の命を守る署名運動に、是非ともご協力下さいますよう、宜しくお願い致します。
下記は以前この裁判について私の思いを綴った日記です。
ぜひご参照下さい↓
最後に一つだけ注意事項を書かせて頂きます。
私はあくまで個人的な感情で署名運動に協力しているだけで、この活動の責任者でも何でもありません。
この件に関しての問い合わせなどには一切対応することは出来ませんので何卒ご了承下さい。
窓口などもお教え出来ませんので、知りたい方は個人的にお調べ下さい。
本当に個人的な想いだけで行動しております。
ご理解下さいますよう、心よりお願い申し上げます。
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